【プラン別】Wi-FiルーターとLANケーブルはこれを買えばいい|現役工事人が解説

Wi-FiルーターとLANケーブルの選び方を、契約プランと住まいのタイプ別に現役工事人が解説。LANケーブルはCat6A一択の理由、Cat7を勧めない理由も説明します。

青いLANケーブルの側面に印字された「CAT6A」の規格表示を拡大したイラスト

「結局どれを買えばいいの?」。機器選びの記事はスペックの説明ばかりで、肝心のここが分からないことが多いと思います。

この記事では、契約プランと住まいのタイプから、買うべきものを絞り込む形で解説します。まず早見表で自分の答えを見つけて、理由が気になる人だけ後半を読んでください。

早見表:あなたが買うべきものはこれ

あなたの状況 買うルーター LANケーブル
VDSL方式のマンション 安価なWi-Fi 6対応機で十分 Cat6A(短めでOK)
1ギガ+マンション/2階建て木造 標準的なWi-Fi 6対応機 Cat6A
広い戸建て・3階建て・RC造マンション メッシュWi-Fi(2〜3台セット) Cat6A
10ギガプラン 10GbE(10ギガ)対応機 Cat6A必須

共通して満たすべき条件は**「IPoE(IPv6)対応」**の1点だけです。これは今どきの製品ならほぼ対応していますが、念のため仕様欄で確認してください。IPoEが何なのかはIPv6(IPoE)の記事で解説しています。

以下、それぞれの理由を説明します。

ケース1:VDSL方式のマンション → 安いWi-Fi 6機で十分

建物の配線方式がVDSLなら、回線側の上限が最大100Mbps程度です。ここが天井なので、高性能なルーターを買っても意味がありません。

安価なWi-Fi 6対応機で十分です。浮いたお金は別のことに使ってください。自分の建物がどの方式か分からない場合は、タイプ別工事の記事を確認するか、管理会社に問い合わせてみてください。

Wi-Fiルーター

エントリークラスのWi-Fi 6ルーター

VDSL方式のマンションなど、回線側の上限が100Mbps程度に決まっている住まい向け。ここが天井になるため、高性能機を買っても差が出ません。

選ぶときの条件

  • IPoE(IPv6)対応
  • Wi-Fi 6対応
  • 建物の配線方式が分からない場合は、管理会社へ確認してから選んでください。

ケース2:1ギガ+マンション/2階建て木造 → 標準的なWi-Fi 6機

一番多いパターンです。木造なら電波が通りやすく、1台でカバーできることがほとんどです。

選ぶ基準は「IPoE対応」「Wi-Fi 6以上」「有線ポートが1Gbps対応」の3点。最上位機種は不要です。5〜6年以上前のルーターを使っているなら、この機会に買い替えると体感が変わります。

Wi-Fiルーター

標準的なWi-Fi 6ルーター

1ギガ契約のマンションや2階建て木造など、1台でカバーできる住まい向け。一番多いパターンです。

選ぶときの条件

  • IPoE(IPv6)対応
  • Wi-Fi 6以上
  • 有線ポートが1Gbps対応
  • 最上位機種は不要です。5〜6年以上前のルーターからの買い替えなら体感が変わります。

ケース3:広い戸建て・3階建て・RC造マンション → メッシュWi-Fi

1台でカバーしようとすると失敗するパターンです。特にRC造(鉄筋コンクリート造)は電波が壁で止まるため、高性能な1台を買うより、複数台で面を作るメッシュWi-Fiの方が確実です。

  • 2〜3台セットの製品を選べば、そのまま設置できます
  • 各部屋にLANポートがある家なら、有線で繋いでメッシュを組むとさらに安定します

「高いルーターを買ったのに2階に届かない」という相談は、たいていこのケースで1台にこだわった結果です。材質の話はルーターの置き場所と家の材質の記事で解説しています。

メッシュWi-Fi

メッシュWi-Fi(2〜3台セット)

広い戸建て、3階建て、RC造マンション向け。1台でカバーしようとすると失敗する住まいです。

選ぶときの条件

  • IPoE(IPv6)対応
  • 2〜3台セットの製品
  • 各部屋にLANポートがある家なら、有線で繋いでメッシュを組むとさらに安定します。

ケース4:10ギガプラン → 10GbE対応機は必須

10ギガ回線を契約しているなら、WANポートが10GbE対応のルーターでなければ意味がありません。ここが1GbEだと、そこで頭打ちになります。

ただし、ルーターだけ対応していても足りません。LANケーブル、パソコン側のポート、繋ぐ機器と、経路のすべてが対応している必要があります。詳しくは10ギガの落とし穴の記事を確認してから購入してください。

Wi-Fiルーター

10GbE対応ルーター

10ギガプランを契約している場合に必須。WANポートが1GbEだと、そこで頭打ちになります。

選ぶときの条件

  • WANポートが10GbE対応
  • IPoE(IPv6)対応
  • ルーターだけ対応していても足りません。LANケーブル、端末側のポートまで揃っているか確認してください。

LANケーブルはCat6A一択でいい

ケーブルは考える要素が少ないので、Cat6Aを選んで、あとは長さを決めるだけです。1ギガ回線でも10ギガ回線でも、これ1つで対応できます。

LANケーブル

Cat6A LANケーブル

1ギガ回線でも10ギガ回線でも、これ1つで対応できます。あとは長さを決めるだけです。

選ぶときの条件

  • カテゴリがCat6A
  • 必要な長さ+少し余裕
  • Cat7・Cat8は家庭用の機器では性能を発揮しません。値段が高い分、損をするだけです。
  • 踏まれる場所に敷くなら、フラットケーブルより丸型のほうが長持ちします。

なぜCat7・Cat8を勧めないのか

数字が大きい方が良さそうに見えますが、ここに落とし穴があります。

Cat7以上は本来、アース(接地)を前提としたシールド構造の業務用規格です。ところが家庭用として売られているCat7ケーブルの多くは、一般的なLANポート(RJ45)にそのまま挿す形になっており、規格が本来想定している使い方になっていません。

アースが取れていないシールドケーブルは、ノイズを逃がすつもりの構造がかえって不安定さの原因になることもあります。家庭用の機器で使う限り、Cat6Aを超える性能を発揮する場面はまずありません。値段が高い分、損をするだけです。

長さと形の選び方

  • 長さは「必要+少し余裕」:短すぎると届かず、長すぎると余りがとぐろを巻いて邪魔になります
  • フラットケーブルは扱いやすいが耐久性は落ちる:カーペットの下や扉の隙間を通すには便利ですが、踏まれる場所は丸型の方が長持ちします
青いLANケーブルの側面に白字で印字された「CAT6A」の表示を丸く拡大したイラスト
ケーブルの側面に「CAT6A」などと印字されています。まずは今使っているものを確認してみてください。

買う前に:置き場所を見直すだけで解決することも

特に新築で情報分電盤(壁の中の収納ボックス)にルーターを入れている場合は要注意です。ただし単純に取り出すと各部屋の有線LANが使えなくなるため、ルーターを2台用意する構成が現実的なベストになります(詳しくは置き場所の記事)。

よくある質問

今使っているLANケーブルの規格が分かりません

ケーブルの側面に「CAT5e」「CAT6」などと印字されています。印字がないほど古いものなら、買い替えを検討していいと思います。

ルーターは高いものほど速くなりますか?

なりません。回線の速度、端末の対応規格、置き場所と、どれか1つでもボトルネックがあれば、そこが上限になります。高性能ルーターが効くのは、他の条件が揃っている場合だけです。

Wi-Fi 7の製品を買った方がいいですか?

スマホやパソコン側が対応していなければ恩恵はありません。手持ちの端末の対応状況を確認してから判断してください。長く使うつもりで先行投資する、という考え方はアリです。

事業者からレンタルしているルーターで十分ですか?

基本的な使い方なら十分なことが多いです。ただしレンタル料が発生している場合、市販品を買った方が長期的に安くなることもあるので、月額を確認してみてください。

まとめ:自分のケースに当てはめれば、迷わなくていい

  • LANケーブルはCat6A一択。Cat7・Cat8は家庭用には向かない
  • VDSLマンション → 安価なWi-Fi 6機で十分
  • 1ギガ+一般的な間取り → 標準的なWi-Fi 6機
  • 広い家・3階建て・RC造 → メッシュWi-Fi
  • 10ギガプラン → 10GbE対応機(他の機器も要確認)
  • 買う前に、置き場所の見直しで解決しないか試してみる

機器選びで大事なのは「一番良いもの」ではなく「自分の環境に合っているもの」です。オーバースペックにお金を使うより、条件を揃える方が体感は良くなります。

光回線の現役工事人のイラスト

この記事を書いた人

光回線の現役工事人

現役の光回線工事スタッフとして、いまも日々現場に出ています。戸建て・集合住宅の開通工事の経験をもとに、工事前に知っておきたいことを解説しています。

運営者の経験と編集方針を見る